「フットパス」とは、もともとはイギリスの歩行者のための専用道路。川沿いや牧場、森林の中などいたるところに張りめぐらされ、町や村を結んでいます。イギリス国民はこの道を日常的な生活路として使うだけでなく、「歩くことを楽しむ文化」として生活に根づいていています。 今、このフットパスの考え方を取り入れた自然歩道が北海道各地で作られ始めており、ウヨロ川にも手づくりのフットパスができました。

ウヨロ川フットパスは、河川管理用道路、川沿いの踏み分け道、萩の里自然公園の遊歩道などを結んだ約14kmの自然歩道です。 ウヨロ川や里山の自然にふれることができる道として、自然ウォーキングや子どもの自然体験活動などで利用されており、案内標識が整備されつつあります。2006年3月にはフットパスの案内マップができ、JR白老駅等で入手できます。

ウヨロ川フットパスのコース沿いでは、森林公園や手入れされた里山の森、サケの遡上が見られる清流ウヨロ川、引退した競走馬のいる素晴らしい景観の牧場など、色々な自然が楽しめます。

●荻の里自然公園

萩野市街の背後に位置し、フットパスの入口となる面積約200haの森林公園です。雑木林の自然豊かな公園で、遊歩道やセンターハウスなどの施設もあり、バードウォッチングやウォーキングに最適。 特にウォーキングは、展望のよいコースがいくつもあり、時間に合わせコースの選択が可能です。コース沿いでは、野鳥やエゾリスなどの小動物との出会いも楽しみです。また、春から秋にかけて林の中では、美しい野の花が色々見られます。特に春には多くの種類のスミレやエンレイソウ、シラネアオイなどが素晴らしい。

●エコの森

ウヨロ川下流域の河川敷地の17haで、後世に緑豊かな河畔林を残そうと保全活動が行われている森です。ウヨロ川の河川改修で残った三日月湖が何箇所もあります。 森林ボランティア団体「エコの森ウヨロクラブ」が、河畔林の自然再生を目標に森林の下草刈りや枝払い、植樹活動に取り組んでいます。

●トラストの森

NPO法人ウヨロ環境トラストが所有しているカラマツ林で、木材生産のための育林と自然林の再生を目標に保全活動を行っている面積2.2haの里山人工林です。 カラマツの間伐木を利用したウヨロ小屋や東屋などの施設が整備されており、森林の手入れなどの保全活動と青少年の自然体験キャンプなどの環境学習活動が一年を通して実施されています。

●オーシャンファーム

イーハトーヴ牧場とも呼ばれ、1985年に開設された日本で初めて引退馬の育成を始めた牧場。 競走馬として活躍した往年の功労馬が預けられ、余生を送っています。 2003年には乗馬クラブが開設され、初心者の体験乗馬から本格的なトレッキングまで指導が受けられるようになりました。 牧場からのホロホロ山の眺めは、北海道らしさを感じる雄大な眺めです。牧場の方に声をかければ、馬を見ながら牧場の中を歩いてフットパスのコースに出られます。

里山の歴史里山の神様里山の楽しみ里山を歩く文化目次に戻る